2023年 第2回 博士大学院生と企業のCHIの交流会を開催しました。
産学協働イノベーション人材育成協議会の「第2回 博士大学院生と企業のCHIの交流会」が6月14日(水)13:00~18:30にオンラインで開催されました。参加企業7社のご担当者が自社の概要を紹介されたのち、12名の参加大学院生がご自身の研究について発表しました。発表後には、企業の担当者やコーディネーターの大学教員から質問やコメントが寄せられ、活発な交流が行われました。
開会にあたりC-engine事務局より本交流会の開催目的について、科学・技術の進歩と社会の急激な変化が進む現代において生き抜き、新たな価値を創造していくためには、知識や技能とそれらを誘引する態度や価値を融合させたコンピテンシーが重要であること、またアカデミアでも産業界でも研究を進めていくうえではトランスファラブルスキルRISEが必要であることについて説明がありました。本交流会を、学生が背景知識の異なる参加者も理解・共感できるよう、自身の研究をわかりやすく説明する機会ととらえ、自身のコンピテンシー、トランスファラブルスキルについて自己査定する場としていただきたいと紹介されました。
次に参加企業のご担当者から、経営理念や事業展開、研究開発、また研究インターンシップの実施内容について説明をいただきました。参加企業:京セラ株式会社、塩野義製薬株式会社、ダイキン工業株式会社、東レ株式会社、日東電工株式会社、日本ゼオン株式会社、株式会社村田製作所(発表順)
その後、博士後期課程に在学する12名の大学院生が4つのセッションに分かれてご自身の研究内容を発表しました。
セッション1:
「高輝度近赤外発光金属ナノクラスターの開発」(大阪公立大学D2学生)
「単一金属原子触媒によるCO2/CO電解に関する研究」(大阪公立大学D2学生)
「幅広いpHに対応した数値モデルによる電解反応の解析」(大阪大学D2学生)
「Enhancing Solar Cell Efficiency Using Luminescent Coupling Effect」(東京大学D1学生)
セッション2:
「キタエフ磁性体における非局所スピン相関を利用したマヨラナ粒子検出の理論提案」(大阪大学D2学生)
「大型加速器による電子・陽電子の衝突実験で反粒子消滅の謎を探求」(奈良女子大学D2学生)
「電弱スキルミオンとダークマターの類似性についての考察」(奈良女子大学D1学生)
セッション3:
「植物の細胞機能を理解する」(お茶の水大学D2学生)
「化学物質過敏症に影響する香害要因と健康への評価に関する研究」(奈良女子大学D1学生)
セッション4:
「報酬予測学習における脳機能の解析」(大阪大学D2学生)
「99.9%の未知微生物の探索に向けて生きたまま微生物を評価する技術の提案」(筑波大学D2学生)
「筋肉の「質」はどのように決定されるのか」(九州大学D2学生)
各発表後の質疑応答では、研究における専門的な質問だけでなく、研究を行うきっかけや研究に取り組むにあたって挑戦した内容についても質問がありました。
参加学生は発表前にもコーディネーターの大学教員やC-engine事務局の職員と事前に発表練習を行っており、交流会本番では異なる専門分野の参加者へ専門的な内容がよく伝わるように丁寧に説明していて、事前準備の成果が出ているように感じました。