【博士進学の困りごと#1】生活費どうしよう…?
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博士後期課程進学にあたって多くの人が不安になる、生活費のこと。
「両親になるべく負担をかけたくないけど、研究しながらアルバイトなんて無理…」
そこで、博士後期課程の学生に対する経済的支援について紹介します。
進学前に申請が必要な場合もあり、早めの行動が大切です!
制度名 | 支給額 | 支給期間 |
日本学術振興会特別研究員(DC1・DC2) | 研究費:80~150万円/年 生活費:240万円/年 | 最大3年 |
次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING) | 詳細は各大学のプログラムで異なる 生活費:180~240万円/年 | 最大3年 |
卓越大学院(WISE Program) | 詳細は各大学のプログラムで異なる | 修士課程から最大5年 |
戦略的創造研究推進事業(ACT-X) | 研究費:450~600万円/課題 生活費:200万円/年 | ― |
各種団体の奨学金 | 団体で異なるが、併用受給可能なものもある | ― |
大学・国立研究開発法人のTA・RA | 機関によって異なるが月給20万となる場合もある | ― |
日本学術振興会特別研究員(DC1・DC2)
博士後期課程の経済支援と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがこの制度ではないでしょうか。
研究室の先輩が申請書に苦労している様子を見たことがあるかも…
日本学術振興会特別研究員(DC1・DC2)では、博士後期課程の学生支援として最大3年、生活費20万円/月と研究費80~150万円/年が支給されます。
しかし、採用率は15~20%と狭き門であり、選考のための申請書類の完成度の高さが求められます。
博士後期課程に在学中、あるいは進学予定の場合、この制度に専願して生活費を考えるのは少しリスクが大きいかもしれません。そこで、以下に示すような経済支援との併願が大切です。奨学金の場合、併用受給が可能なものもあります。
https://www.jsps.go.jp/j-pd
次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)
JSTから採択された大学プログラム・プロジェクトにおいて、博士後期課程の学生に対して生活費+研究費の支給や、キャリア開発・育成コンテンツなどの支援が提供されます。
詳細については各大学で異なりますが、最大3年、生活費180~240万円/年が支給されます。
https://www.jst.go.jp/jisedai/spring/index.html
このプログラムの受講生は、インターンシップ受入企業側との協力を通じて、必要スキルを獲得し、インターンシップ成功事例を積み上げています。
卓越大学院(WISE Program)
日本学術振興会から採択された大学プログラム・プロジェクトにおいて、一般には修士課程から5年間一貫での教育プログラムの提供や生活費の支給などの支援が行われます。
詳細については各大学で異なりますが、博士後期課程の学生に対して月額20万円程度の生活費の支給が行われることがあります。
副専攻のような形式でのプログラムが提供されている場合もあり、専門分野が完全に一致しない場合でも参加できる可能性があります。
https://www.jsps.go.jp/j-takuetsu-pro
戦略的創造研究推進事業(ACT-X)
若手研究者の研究を支援するプログラムで、研究費として1課題450~600万円が支給されます。
博士後期課程の学生の場合には、年間200万円程度が自分自身へのRA経費として追加支援が行われます。
https://www.jst.go.jp/kisoken/act-x/index.html
各種団体の奨学金
自治体・民間団体などが主催する支援制度です。
各大学で申請可能な奨学金の案内を掲示している場合が多いので確認してみてください。
日本学術振興会特別研究員などとの併用受給が可能な場合もあります。
C-ENGINE 会員企業に関連する奨学金についてはこちらから。
大学・国立研究開発法人のTA・RA
所属する大学・研究室を通じて、TA・RAの雇用による経済的支援を行ってもらえる場合があります。
また、12の国立研究開発法人では、博士後期課程の学生を対象としたRA雇用制度があります。
専門分野が合致する場合は、就業経験として取り組んでみてもよいかもしれません。
RA雇用制度例を以下に示します。
(引用:国立研究開発法人におけるRA採用の現状に関する調査結果)
機関名 | 制度名 | 対象* | 給与 |
理化学研究所 | 大学院生リサーチ・アソシエイト | 連携大学院に在籍する博士後期課程学生 | 月額20万円 |
産業技術総合研究所 | 産総研リサーチアシスタント制度 | 博士後期課程(博士課程)、博士前期課程(修士課程) | 博士:時給2,100円 (月14日勤務で月額約22万円) |
物質・材料研究機構 | NIMSジュニア研究員制度 | NIMS連携大学院に在籍する学生 | 月額約20万円(月 14 日勤務) |
宇宙航空研究開発機構 | リサーチアシスタント | JAXAが受け入れている学生のうち、学術研究・研究開発の補助となり得る者 | 時給1,250~1,350円 |
*対象については略記のため、自身で詳細をご確認ください。
まとめ
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博士後期課程の学生に対する経済支援には、複数の選択肢があります。
内閣府の第6期科学技術・イノベーション基本計画では、
「2025年度までに、⽣活費相当額を受給する博⼠後期課程学⽣を従来(※約1割)の3倍に増加。また、将来的に、希望する優秀な博⼠後期課程学⽣全てが⽣活費相当額を受給。」
(引用:第6期科学技術・イノベーション基本計画 – 科学技術政策 – 内閣府)
との目標が示されており、今後さらに拡充する可能性があります。
いくつかの申請書を書くことで、申請書作成力や研究の方向性がよりブラッシュアップされます。
進学を検討している場合は、修士2年の時点から申請や情報収集に積極的に動いてみてください。