2023年度(10周年記念シンポジウム)

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室

10周年記念シンポジウムの開催、おめでとうございます。これまでの10年間、補助金事業終了後も自走し続けることは大変難しいことであり、協議会会員の皆様、歴代代表理事の先生方並びに事務局のご尽力によるものと敬意を表します。博士の産業界での活躍支援に関しては、経済産業省・文部科学科省両省で取組みを進めています。今後も引き続き、C-ENGINEと連携し、博士のキャリアパス構築支援に取り組んでいく考えです。10周年を記念し新たな挑戦への意思を皆様と共有する今日という日が、次なる10年20年の更なる発展へのスタートラインとなることを期待し、関係者のご健康とご発展を祈念いたします。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局学生支援課

10周年、おめでとうございます。近年、専門性だけでなく論理的思考力や課題解決力をもって価値創造に貢献できる力が博士人材に求められるようになってきています。AIの急速な発展に伴う社会変化の中で、高度な知識人材が今後より一層、専門性・課題解決力を活かし価値創造をしていくことが重要ですが、産業界における価値創造への博士人材活用の流れに、C-ENGINEの取組みが大きく貢献していると感じています。文部科学省でも博士後期課程学生への経済的支援、大学改革や科学イノベーション政策の推進など、新しい時代に対応する取組みが進んでおり、C-ENGINEの取組みもまた、これらの変化に対応しています。これまでのC-ENGINEの事務局や関係者の皆様の努力に感謝し、今後もより良い未来に向けて協力していきたいと思います。

2022年度

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室

新型コロナウイルス感染症やそれに伴う経済活動の停滞、あるいはウクライナ情勢やそれに起因する世界規模での厳しい局面を打開するため、若手研究人材の活躍、特に産業界での活躍の重要性が一層増しています。科学技術をイノベーションに繋げ、それを社会実装するという観点では「総合知」すなわち人文社会科学も含めたトータルでの総合力が特に重要だと考えます。  本シンポジウム主催者のC-ENGINEは、研究インターンシップ推進を通して、研究人材が産業界で実践的に活躍できるようになるための産学の結びつき強化に精力的に取り組んでこられました。改めて経済産業省としてもC-ENGINEとしっかりと連携をして、揆を一にして取組みを進めて参ります。また、本日の議論の中で、現状を突破する為の糸口として参考になる情報やご意見が奇譚なく交わされることに期待しています。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局専門教育課

令和3年に閣議決定された第六期科学技術イノベーション基本計画においても、「総合知」を活用する仕組みの構築が、我が国が目指す「Society5.0」の実現に必要な要素の一つとして挙げられています。また、高度な専門性や問題解決能力を身につけた博士人材はまさに知の担い手であり、同時にSociety5.0を支えていく人材です。博士人材の育成と活用は我が国の研究力強化の鍵として、現在の科学技術イノベーション政策においても重要視されています。文部科学省においても、ジョブ型研究インターンシップの先行的取り組みを実施していく中で、博士人材の多様なキャリアパスの構築、企業と優秀な博士人材が出会える機会の拡大は急務と考えております。  研究力と実践力を併せ持つ優秀な若者が、社会の多様な場において活躍できる社会を実現するために、産官学のより一層の協力・連携を期待しています。

2020年度

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室
産学協働イノベーション人材育成協議会は、短期のインターンシップとは異なり、学生が企業において実際の研究業務に携わることで、一人前の研究者としてのスキルを習得する中長期の研究インターンシップを推進してまいりました。この取組が新規事業に発展する例もあり、産業界からの期待もますます高まっているところです。
経済産業省と文部科学省は、理工系人材を戦略的に育成するため、平成28年に「理工系人材育成に関する産学官行動計画」をとりまとめており、研究インターンシップの普及は、本行動計画の重要施策の一つでもあります。経済産業省としても、現在、有識者会議等において、イノベーション人材の産業界での活躍について議論を進めているところであり、研究インターンシップの有効性についても、産業界及び教育機関への更なる普及に努めてまいる所存です。関係の皆様の積極的なご参画とご理解をよろしくお願いいたします。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局専門教育課
コロナ禍により生じた様々な情勢の変化は、急速な変化へ適応する能力の重要性を我々に再認識させました。社会を牽引する若者が、変化に柔軟に対応し、持続可能な社会を切り開いていくためには、新たな課題を見出し探求する「研究力」に加え、コミュニケーションを取りながら生み出した知を社会的価値につなげる「実践力」が必要となります。これからのリーダーを育てる大学院教育はますます高度に変化しなければなりません。その鍵は、産学が協働して新しい研究や教育を実践していくことにあると考えています。研究インターシップはまさにその形を体現しているものです。
文部科学省では、中長期、有給、採用選考活動に反映可能な「ジョブ型研究インターンシップ」の先行的・試行的取組の検討を進めています。C-ENGINEと連携させていただき、研究インターンシップがより学生、大学、企業にとって価値があるものとなり、拡大するよう皆様とともに取り組んでいきます。

2018年度

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室
産学協働イノベーション人材育成協議会は、短期のインターンシップとは異なり、学生が企業において実際の研究業務に携わることで、一人前の研究者としてのスキルを習得する中長期の研究インターンシップを推進してまいりました。今年度で協議会が自立して3年目を迎えますが、本取組が新規事業へ発展する事例もあり、産業界からの期待もますます高まっているところです。

経済産業省と文部科学省は、理工系人材を戦略的に育成するため、平成28年8月に「理工系人材育成に関する産学官行動計画」をとりまとめております。研究型インターンシップの普及は、本行動計画の重要施策の1つでもあります。経済産業省としても、産学協働イノベーション人材育成協議会の実施する研究インターンシップの有効性について、産業界および教育機関へのさらなる普及に努めてまいる所存であり、関係の方々の積極的な参画とご理解をいただきたく、よろしくお願いいたします。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局専門教育課
国際化や新技術の発展等により、産業構造や就業構造が急速に変化する中で、「産学協働による人材育成」はもはや欠かすことのできない重要な要素であり、特にインターンシップは、効果的な教育手法として注目を集めています。

昨今、企業が独自に実施するものも含め、より短期間のインターンシップに参加する学生の数は益々増えています。そうした中、C-ENGINEが進める研究インターンシップは、大学と企業の積極的な連携の下、大学院生がその専門性を活かし、企業のリアルな研究現場に長期間入り込み、一人前の研究者として共同研究等を通じて企業が抱える課題の決を目指すもので、政府や文部科学省の政策にも盛り込まれています。こうした取組は、高い教育的効果を発揮しているのみならず、企業からも大きな期待が寄せられており、我が国のインターンシップの理想のかたちの一つとして位置づけられ得ることは間違いありません。

引き続き、参加する学生数や企業数の増加を目指すとともに、人文・社会科学も含めた分野の拡大等によるより発展的な取組の推進などにより、産学協働による人材育成を通じた我が国のイノベーションの創出等にますます貢献していただくことを期待しています。

2016年度

(肩書きは当時のもの・敬称略)

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局長
末松広行

今後、産学官が結集して経済の好循環を創出していかなければいけません。オープンイノベーションには、人材の交流が重要です。経済産業省と文部科学省では、中長期研究インターンシップの推進を「理工系人材育成に関する産学官行動計画」のなかの重要施策と位置付けています。この取組を通じて、イノベーション創出の主体となる理工系人材がより多く排出され、オープンイノベーションがいっそう推進されることを祈念しています。
(※2016年10月26日 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2016 ご来賓挨拶より抜粋)

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室長
飯村亜紀子

我が国が掲げる、2020年度頃までの名目GDP600兆円経済の実現をめざすうえで、イノベーションの創出による新技術、新産業の創出の必要性が高まっており、とりわけ理工系人材の育成、活用の重要度が高まっています。

経済産業省と文部科学省では、理工系人材を戦略的に育成する方策を検討するため、平成27年5月から「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」を9回開催し、平成28年8月に「産業界のニーズと高等教育のマッチング方策、専門教育の充実」、「産業界における博士人材の活躍の促進方策」、「理工系人材の裾野拡大、初等中等教育の充実」の3つのテーマについて重点的に着手すべき取組を、「理工系人材育成に関する産学官行動計画」としてとりまとめました。

研究インターンシップは、本行動計画の「産業界における博士人材の活躍の促進方策」において重要施策の1つとして位置づけられており、経済産業省としても産学協働イノベーション人材育成協議会の実施する研究インターンシップの有効性について、産業界および教育機関へのさらなる普及に努めてまいります。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省 高等教育局 専門教育課長
浅野敦行

近年オープンイノベーションの重要性が叫ばれるなか、博士人材の流動化と適材適所での活躍が課題となっています。「理工系人材育成に関する産学官行動計画」で指摘されたとおり、産学官が一体となって優秀な理工系院生に多様な進路を提示することが重要です。今後の協議会の発展と「中長期研究インターンシップ」のますますの充実が、社会のさまざまな分野で活躍し、イノベーションを創出する人材の育成につながることを期待しています。
(※2016年10月26日 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2016 ご来賓挨拶より抜粋)

2015年度

(肩書きは当時のもの・敬称略)

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局長 井上宏司

経済産業省 産業技術環境局長
井上宏司

日本の産業の国際競争力を維持し、経済の活力を向上させるには、イノベーションの創出が不可欠です。それを支える高い研究能力やマネジメント力をそなえた理工系の人材育成も重要です。経済産業省では本年5月に文部科学省と共同で「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」を設置し、博士人材の育成の充実や人材の活躍の促進策を議論しています。協議会が取り組むマッチングの実績数は平成27年度に入って急激に増加し、このスキームが円滑に回ることが明確になりました。また、事業の成果の一つとして、継続的な共同研究につながる動きも出ています。マッチング活動がさらに加速され、参加企業や大学が拡大することで、産学協働の教育の動きがさらに盛りあがることを期待しています。

経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 大学連携推進室長 宮本岩男経済産業省 産業技術環境局

技術振興・大学連携推進課 大学連携推進室長
宮本岩男

<産学連携による理工系人材育成に向けて>
我が国では、少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなかで、イノベーションの創出による新技術、新産業の創出の必要性が高まっており、理工系人材の育成、活用の重要度が高まっています。

大学においては、研究領域の拡大と、それぞれの学問分野の深化に伴い、学生の修学分野が特定専門領域に特化する傾向にあり、産業界が重要と考える基礎技術および知識を学生が充分に習得しておらず、就職後に再教育しているとの指摘もあります。

こうした状況を踏まえて、経済産業省では、産業界が求める大学・大学院教育と、現在行われている大学・大学院教育の専門分野との間にいかなるギャップが存在するかを明らかにするために、産業界の技術者を対象として、平成27年1月~2月にアンケートを実施しました。その結果、企業における現在の業務で重要な専門分野としては、機械、電気、土木、ITがあげられ、いずれの分野についても、大学における教育ニーズが高いことが判明しました。しかし、一方でバイオ系等の分野は、産業界の教育ニーズに対して研究者が数多く存在しており、産業界が求める理工系人材ニーズと大学などにおける教育内容との間に大きなギャップが存在することが示唆されました。

また、博士修了者については、アメリカでは約55パーセントが産業界に就職するのに対して、我が国では約25パーセントと相対的に低くなっていることに加え、ポスドクから定職への就職率が著しく低いなど、博士修了者の社会での活用が進んでいないことが課題となっています。こうしたなか、企業の研究現場での研究インターンシップへの従事は高い教育効果を生むことが多く報告されており、産学でのマッチングによる多数の成功事例の創出が期待されています。こうした取り組みを促進するため、産学協働イノベーション人材育成協議会が設立され、マッチングシステムが効果的に機能し始めていることから、今後の自立的な取組みの継続が期待されています。

これらの課題を踏まえて、経済産業省では「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」の開催を通して、産学官の対話を深めるとともに、平成27年度内を目処に産業界、学界、行政それぞれの行動計画の取りまとめを予定しています。イノベーション創出の主体となる理工系人材の育成において、産学官が連携して取組みを進めることが重要です

■文部科学省からの期待の声

文部科学省 大臣官房審議官 佐野 太

文部科学省 大臣官房審議官
(高等教育局担当)

佐野 太

近年、技術革新の加速化やグローバル競争の激化、少子化の進展など、日本の企業や個人を取り巻く環境は劇的に変化しています。「日本再興戦略」でも指摘されたように、このような時代においては、若者一人一人が能力や個性に応じて専門性を磨き、自らの価値を最大限に発揮できるような環境を、産学官協働で整えることが重要です。大学の学びと職業選択とを切れ目なくつなぐ政策の一つが、中長期研究インターンシップです。学生の主体的な学習意欲を喚起し、高い職業意識を醸成する教育効果に優れているという点で、文部科学省にも意味ある事業です。文部科学省としても経済産業省と連携・協力しながら、大学におけるインターンシップの推進に取り組んでまいります。
(※2015.11.05 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2015 ご来賓挨拶および基調講演から抜粋)

2020年度

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室
産学協働イノベーション人材育成協議会は、短期のインターンシップとは異なり、学生が企業において実際の研究業務に携わることで、一人前の研究者としてのスキルを習得する中長期の研究インターンシップを推進してまいりました。この取組が新規事業に発展する例もあり、産業界からの期待もますます高まっているところです。
経済産業省と文部科学省は、理工系人材を戦略的に育成するため、平成28年に「理工系人材育成に関する産学官行動計画」をとりまとめており、研究インターンシップの普及は、本行動計画の重要施策の一つでもあります。経済産業省としても、現在、有識者会議等において、イノベーション人材の産業界での活躍について議論を進めているところであり、研究インターンシップの有効性についても、産業界及び教育機関への更なる普及に努めてまいる所存です。関係の皆様の積極的なご参画とご理解をよろしくお願いいたします。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局専門教育課
コロナ禍により生じた様々な情勢の変化は、急速な変化へ適応する能力の重要性を我々に再認識させました。社会を牽引する若者が、変化に柔軟に対応し、持続可能な社会を切り開いていくためには、新たな課題を見出し探求する「研究力」に加え、コミュニケーションを取りながら生み出した知を社会的価値につなげる「実践力」が必要となります。これからのリーダーを育てる大学院教育はますます高度に変化しなければなりません。その鍵は、産学が協働して新しい研究や教育を実践していくことにあると考えています。研究インターシップはまさにその形を体現しているものです。
文部科学省では、中長期、有給、採用選考活動に反映可能な「ジョブ型研究インターンシップ」の先行的・試行的取組の検討を進めています。C-ENGINEと連携させていただき、研究インターンシップがより学生、大学、企業にとって価値があるものとなり、拡大するよう皆様とともに取り組んでいきます。

2018年度

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室
産学協働イノベーション人材育成協議会は、短期のインターンシップとは異なり、学生が企業において実際の研究業務に携わることで、一人前の研究者としてのスキルを習得する中長期の研究インターンシップを推進してまいりました。今年度で協議会が自立して3年目を迎えますが、本取組が新規事業へ発展する事例もあり、産業界からの期待もますます高まっているところです。

経済産業省と文部科学省は、理工系人材を戦略的に育成するため、平成28年8月に「理工系人材育成に関する産学官行動計画」をとりまとめております。研究型インターンシップの普及は、本行動計画の重要施策の1つでもあります。経済産業省としても、産学協働イノベーション人材育成協議会の実施する研究インターンシップの有効性について、産業界および教育機関へのさらなる普及に努めてまいる所存であり、関係の方々の積極的な参画とご理解をいただきたく、よろしくお願いいたします。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省高等教育局専門教育課
国際化や新技術の発展等により、産業構造や就業構造が急速に変化する中で、「産学協働による人材育成」はもはや欠かすことのできない重要な要素であり、特にインターンシップは、効果的な教育手法として注目を集めています。

昨今、企業が独自に実施するものも含め、より短期間のインターンシップに参加する学生の数は益々増えています。そうした中、C-ENGINEが進める研究インターンシップは、大学と企業の積極的な連携の下、大学院生がその専門性を活かし、企業のリアルな研究現場に長期間入り込み、一人前の研究者として共同研究等を通じて企業が抱える課題の決を目指すもので、政府や文部科学省の政策にも盛り込まれています。こうした取組は、高い教育的効果を発揮しているのみならず、企業からも大きな期待が寄せられており、我が国のインターンシップの理想のかたちの一つとして位置づけられ得ることは間違いありません。

引き続き、参加する学生数や企業数の増加を目指すとともに、人文・社会科学も含めた分野の拡大等によるより発展的な取組の推進などにより、産学協働による人材育成を通じた我が国のイノベーションの創出等にますます貢献していただくことを期待しています。

2016年度

(肩書きは当時のもの・敬称略)

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局長
末松広行

今後、産学官が結集して経済の好循環を創出していかなければいけません。オープンイノベーションには、人材の交流が重要です。経済産業省と文部科学省では、中長期研究インターンシップの推進を「理工系人材育成に関する産学官行動計画」のなかの重要施策と位置付けています。この取組を通じて、イノベーション創出の主体となる理工系人材がより多く排出され、オープンイノベーションがいっそう推進されることを祈念しています。
(※2016年10月26日 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2016 ご来賓挨拶より抜粋)

経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室長
飯村亜紀子

我が国が掲げる、2020年度頃までの名目GDP600兆円経済の実現をめざすうえで、イノベーションの創出による新技術、新産業の創出の必要性が高まっており、とりわけ理工系人材の育成、活用の重要度が高まっています。

経済産業省と文部科学省では、理工系人材を戦略的に育成する方策を検討するため、平成27年5月から「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」を9回開催し、平成28年8月に「産業界のニーズと高等教育のマッチング方策、専門教育の充実」、「産業界における博士人材の活躍の促進方策」、「理工系人材の裾野拡大、初等中等教育の充実」の3つのテーマについて重点的に着手すべき取組を、「理工系人材育成に関する産学官行動計画」としてとりまとめました。

研究インターンシップは、本行動計画の「産業界における博士人材の活躍の促進方策」において重要施策の1つとして位置づけられており、経済産業省としても産学協働イノベーション人材育成協議会の実施する研究インターンシップの有効性について、産業界および教育機関へのさらなる普及に努めてまいります。

■文部科学省からの期待の声

文部科学省 高等教育局 専門教育課長
浅野敦行

近年オープンイノベーションの重要性が叫ばれるなか、博士人材の流動化と適材適所での活躍が課題となっています。「理工系人材育成に関する産学官行動計画」で指摘されたとおり、産学官が一体となって優秀な理工系院生に多様な進路を提示することが重要です。今後の協議会の発展と「中長期研究インターンシップ」のますますの充実が、社会のさまざまな分野で活躍し、イノベーションを創出する人材の育成につながることを期待しています。
(※2016年10月26日 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2016 ご来賓挨拶より抜粋)

2015年度

(肩書きは当時のもの・敬称略)

■経済産業省からの期待の声

経済産業省 産業技術環境局長 井上宏司

経済産業省 産業技術環境局長
井上宏司

日本の産業の国際競争力を維持し、経済の活力を向上させるには、イノベーションの創出が不可欠です。それを支える高い研究能力やマネジメント力をそなえた理工系の人材育成も重要です。経済産業省では本年5月に文部科学省と共同で「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」を設置し、博士人材の育成の充実や人材の活躍の促進策を議論しています。協議会が取り組むマッチングの実績数は平成27年度に入って急激に増加し、このスキームが円滑に回ることが明確になりました。また、事業の成果の一つとして、継続的な共同研究につながる動きも出ています。マッチング活動がさらに加速され、参加企業や大学が拡大することで、産学協働の教育の動きがさらに盛りあがることを期待しています。

経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 大学連携推進室長 宮本岩男経済産業省 産業技術環境局

技術振興・大学連携推進課 大学連携推進室長
宮本岩男

<産学連携による理工系人材育成に向けて>
我が国では、少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなかで、イノベーションの創出による新技術、新産業の創出の必要性が高まっており、理工系人材の育成、活用の重要度が高まっています。

大学においては、研究領域の拡大と、それぞれの学問分野の深化に伴い、学生の修学分野が特定専門領域に特化する傾向にあり、産業界が重要と考える基礎技術および知識を学生が充分に習得しておらず、就職後に再教育しているとの指摘もあります。

こうした状況を踏まえて、経済産業省では、産業界が求める大学・大学院教育と、現在行われている大学・大学院教育の専門分野との間にいかなるギャップが存在するかを明らかにするために、産業界の技術者を対象として、平成27年1月~2月にアンケートを実施しました。その結果、企業における現在の業務で重要な専門分野としては、機械、電気、土木、ITがあげられ、いずれの分野についても、大学における教育ニーズが高いことが判明しました。しかし、一方でバイオ系等の分野は、産業界の教育ニーズに対して研究者が数多く存在しており、産業界が求める理工系人材ニーズと大学などにおける教育内容との間に大きなギャップが存在することが示唆されました。

また、博士修了者については、アメリカでは約55パーセントが産業界に就職するのに対して、我が国では約25パーセントと相対的に低くなっていることに加え、ポスドクから定職への就職率が著しく低いなど、博士修了者の社会での活用が進んでいないことが課題となっています。こうしたなか、企業の研究現場での研究インターンシップへの従事は高い教育効果を生むことが多く報告されており、産学でのマッチングによる多数の成功事例の創出が期待されています。こうした取り組みを促進するため、産学協働イノベーション人材育成協議会が設立され、マッチングシステムが効果的に機能し始めていることから、今後の自立的な取組みの継続が期待されています。

これらの課題を踏まえて、経済産業省では「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」の開催を通して、産学官の対話を深めるとともに、平成27年度内を目処に産業界、学界、行政それぞれの行動計画の取りまとめを予定しています。イノベーション創出の主体となる理工系人材の育成において、産学官が連携して取組みを進めることが重要です

■文部科学省からの期待の声

文部科学省 大臣官房審議官 佐野 太

文部科学省 大臣官房審議官
(高等教育局担当)

佐野 太

近年、技術革新の加速化やグローバル競争の激化、少子化の進展など、日本の企業や個人を取り巻く環境は劇的に変化しています。「日本再興戦略」でも指摘されたように、このような時代においては、若者一人一人が能力や個性に応じて専門性を磨き、自らの価値を最大限に発揮できるような環境を、産学官協働で整えることが重要です。大学の学びと職業選択とを切れ目なくつなぐ政策の一つが、中長期研究インターンシップです。学生の主体的な学習意欲を喚起し、高い職業意識を醸成する教育効果に優れているという点で、文部科学省にも意味ある事業です。文部科学省としても経済産業省と連携・協力しながら、大学におけるインターンシップの推進に取り組んでまいります。
(※2015.11.05 産学協働イノベーション人材育成シンポジウム2015 ご来賓挨拶および基調講演から抜粋)